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2007-07-30

相手の利、自分の利、共通の利、将来の利

いま産経新聞で中国の改革開放の指導者と呼ばれている鄧小平氏の足跡が連載されている。
この新聞はとっていないが、幸いにもWEBで連載の内容を知ることが出来る。

●トウ小平秘録

産経新聞の主義主張に関してはここではあえて触れない。
注目したいのは、たまたま目についた交渉の記録のところだったからだ。

【トウ小平秘録】(36)第2部「南巡講話」 瀬戸際の改革

ニクソン氏自身が89年10月に私人として訪中してトウ小平氏と会談した後、米国が対中関係を重視すべき理由を、こう備忘録にまとめている(王泰平氏ら編「新中国外交50年」、北京出版社)。

(1)ソ連が中国カードを握れば米国に不利
(2)核拡散防止で中国の協力が必要
(3)強大で安定した中国は東アジアにおけるソ連、日本などの影響力とのバランスをとるのに有利
(4)アジア太平洋地区での中国の役割の重要性
(5)将来巨大になる中国市場を確保する必要性
(6)21世紀に軍事大国化する中国を敵にしない
(7)地球規模の環境問題などでの協力が重要-。

【トウ小平秘録】(39)第2部「南巡講話」 ソ連・東欧の波 より・・

トウ小平氏は、中米間の主要問題を解決するパッケージ案をまとめ、折よく訪中していたキッシンジャー氏にブッシュ大統領へ伝達を頼んだ。トウ氏の提案は次の4点だ。

(1)(北京の米大使館で保護中の)方励之(ほうれいし)夫妻を米国ないし第3国に出国させる
(2)米国は対中制裁の解除を発表する
(3)比較的規模の大きな中米経済協力項目の実施に共同努力する
(4)来年の適当な時期に江沢民(こうたくみん)総書記を米国に招請するー。

上段はニクソン元大統領が89年に訪中したときに述べたとされる言葉、下段は同じく89年後半にキッシンジャー氏が伝えたメッセージである。
もっともニクソン氏のメッセージは、71年の米国電撃訪中のときに既に頭の中にあった言葉なので、当時の極秘交渉の中で既にメッセージされていたと思っても不思議ではない。

さてここでの注目はそのメッセージの性質にある。
いづれも米国、中国ともにたいへんな時期にあったトップの意見交換だったわけで、70年台も80年代もこうした条件で両国とも手を打っている点だ。
つまり、
(1)相手の利益を認める
(2)自分も利益を主張する
(3)双方に共通する利益がある
(4)両者の利益は将来も続く
といった主張が根本にあるように言えた。

たいへんな行き詰まった状況の時、すぐに腰が引けてしまうのではなく、大国同士はこうやって互いの利益を確保し合っているようだ。
交渉術として非常に面白いと感じた。

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