「一部上場のアミューズメント企業がIT部門長のポジションを募集」
こんな記事が目に留まったのは6月も末のこと。
求人票を見てみると年収は今の勤め先を大幅に上回ります。
これを見逃す手はないと思い、早速応募。(^o^)v
転職の手続きに関しては今も昔もさほど変わりませんね。履歴書と業務経歴書、この2通が最低限必要ということ。
ただ、私の場合はワーカーじゃなくてストラテジストなので、紙に過去の結果を単に書き連ねるだけでは正しくスキルを理解してくれません。(--;
そこで今回は、「もし自分が採用されたら、何を目指すか」のプレゼンを作ることにしたのでした。
いうなれば、応募先のIT戦略サマリーを提案することでお役立度をアピールする作戦ですね。
相手の会社の詳細事情がわからないのに戦略を書けるのか?と思われるでしょうが、ここでは100点を狙ってわけではなく、一般に知られている情報から推測するとこのようになります、社内の事情が更に理解できれば”戦略・作戦の精度が上がります”というのが落とし所。
上場企業なので株主向けに多くの情報が提供されているから、ここから日本経営品質協議会のフレームワークで組織プロファイルすれば大凡、企業の性格と方向性は見えてきます。
例えばこの企業さんの場合、
・社員1000名、売上50億、純利5億 ・・・効率が良くない
・企業のビジョン ・・・どうやら現状で満足のご様子
・過去半年で2回の不祥事を陳謝 ・・・脇が甘く、バックオフィスが弱点
・オーナー一族が経営者 ・・・むふふふっ、文字に出来ませんが(爆)
・ソフト開発受託企業なのにISOもCMMも取得していない ・・・業務の標準化が出来てない
・ビジネスリスクに要員面を挙げている ・・・人材育成が弱い
・残業させない社風 ・・・社員重視に見えるも、その実はケ○
・ITは各部門に任せきり ・・・無駄が多く、思いつきのIT導入
・拠点が多い ・・・ネットワーク泣かせで効果を出しにくい
・海外連結は多いが、本体売上が96%を占める ・・・J-SOXは簡単に済ませている、IT部門無しで!?
等々の課題が次々と浮かんできました。
簡単に言えば、親子2代で会社をつくり、上場も果たした。でもその先をどう目指すかは確立できていない、という診断です。
私的に言えば、この業界でこの規模の場合、3桁億の売上と2桁億の純利でなければダメと感じます。
3桁億の売上が出せないのは、計画性・シナジー効果のなさ、社内の非効率さ、信用が低いことに起因する失注などだと思うのです。
IT的にも困難は多いと見た。だって社員1000名で9割以上の社員が開発系となるとパソコンでも2000台以上、データ量もかなりのものと想像できます。
しかも拠点があっちこっちにあるので、簡単にサーバーを一元化してどうこうという話は成り立たせることは困難。うっかりすると、”スピードが遅い”だの、”不便になった”だの逆にクレームのオンパレードになってしまい逆に恨まれてしまいます。
IT資源の規模は大企業並みで有りながら、資力は乏しい為、せいぜい新規投資で1億プラス、ランニングでも0.5億が許容範囲のように思えました。それ以上だと純利を食いつぶしてしまいますし、むしろ社内を合理化して浮かせた資金を新たなIT投資に振り向ける方が健全ではないかと。
そこでこの企業に提案しようとしたプランは、
①BCP(事業継続計画)を立案し、それに則ったIT的処置を当面行う
例.バックアップの共通化など
②Pマーク認証やISOやCMMを御旗として、業務やツール類の標準化を進め、対外信用も獲得する
③標準化を徹底し、生産性を3割アップさせる
④3割浮いた余力で新規ビジネス開拓を進め、売上を3桁億に伸ばす
⑤儲けた資力で抜本的にIT環境を見直す、再構築する
というものでした。
Powerpointにして4枚、そこそこの分量です。ただ威圧感を持たせないようにと、タイトルや文章表現にはかなり気を使いましたよ~。
そして待つこと2週間。これは非常に長く感じました。そして捕らぬ狸の皮算用も始まります。(笑)
退職はいつ頃にしようとか、入った退職金で実家を改装しようかとか、車はプリウスよりもベンツのディーゼルがいいな、とか。そろそろ嫁さん探しも始めようか、ともね。(爆)
面接の仮想練習も少ししましたよ。どう説明しようか、いくら欲しいと言われたら何と答えようかとか。
本音は提示したプランに賛同してもらえるかどうかが一番の気がかりでした。
で、ようやく人材会社経由で返事が来ました!
面接日時の調整だろうと思ってたら、なんとそうではなく、『社内の人材で賄うことにしました。どーもすみません』ですと。
おい、私のベンツはどうなる! 婚期がまた遠のいたではないか!
だったら、最初から募集するなっ!
さすがにこれにはガッカリ。後は桃井かおり的な虚脱感が残りました~。(苦笑)
ただ、新規事業に関しては大胆に投資するが、継続的な運営や維持にはあまりお金を割かないなという企業印象があったので、ひょっとしてサーバ統合程度の事を考えているなら社内要員で済ますかもしれないなあという危惧は当初よりありました。
またオーナ経営者なので、話せる余地が少ない方だとしたら、プランの折り合いが付かず物別れになるだろうなあと。案外こちらの方が当たっているかもしれません。(笑)
もし仮に私のプランをどこかのコンサルに見せて、”これなら、弊社でも出来ますよ”という安請負だったとしたら、なんともお粗末な・・・という他はないでしょう。道具は買うことはできますが、”文化”までは買えませんから。お手並み拝見、ですな。
と、いうことを齢七十四の父に聞かせたら、”セ・ラ・ヴィ、それが人生。”と、何ともハイカラなお答え。
ハハハッ、私がいくら経験を積んでも、この人には絶対勝てないです。(^_^;)
-ende-